バルブの技術

特許理論に基づくシンプル構造

1.無水撃チェッキ弁:SL-SN型、SH型

ヨコタの無水撃チェッキ弁は、揚水・送水設備の大きな障害となるウォーターハンマー(水撃)の危険を、安全かつ経済的に解決した高性能なチェッキ弁(逆止弁)です。

特長

強いバネやカウンターウェイトのような外力に依存するものではないため、シンプルな構造でメンテナンスフリー、無水撃理論構造により危険な水撃を解消。老朽化した社会インフラの水道管、下水管の水撃による破損防止、配管からの錆による赤水や濁りの発生防止、夜間の騒音防止等に貢献しています。

構造

  1. 弁体が水の流れに包まれ浮遊した状態となります。
  2. 水の流れが減速するとそれに即応して閉鎖に向かいます。
  3. 逆流に転じる瞬間に弁が完全に閉鎖します。
1 弁アームピン 4 ピンホルダー
2 弁体 5 弁座
3 上部カバー 6 緩衝用の硬質ゴム

様々な液質に対応

清浄流体 河川水、工業用水、浄水、純水、超純水
腐食性流体 海水、濃硫酸、フッ酸排水、塩酸系排水、各種混酸排水
摩耗性流体 汚泥、汚水、雨水排水、研磨排水
ケミカル ジェット燃料、軽油、アルコール、各種溶剤

液温も考慮し、各種液質に適した金属材料、ゴム材質を選定して対応します。

活用事例

実際の納入先の活用事例3選をご紹介します。

  • 製鉄所にて所内用水(工業用水)送水ポンプ吐出側に他社製「汎用チェッキ弁」が取り付けられていましたが、ポンプ停止時に大音響とともに水撃が発生していました。口径600Aと比較的大型でもあり、チェッキ弁の部品交換・点検整備を頻繁に行われていました。
    厳しい条件ではありましたが、「無水撃チェッキ弁SL-SH型(口径600A)」に更新しました。
    ポンプ停止時に着座音は確認されましたが、水撃による衝撃音は発生せず、安全性向上及びチェッキ弁の延命化に貢献しています。
  • 火力発電所にてポンプ3台の並列運転時、うち1台のポンプを停止すると大音響とともに水撃が発生していました。
    「無水撃チェッキ弁SL-SN型」に更新しました。水撃は解消し、安全性向上及びチェッキ弁の延命化に貢献しています。
  • 空港にて滑走路付近の排水ポンプが停止すると、水撃による衝撃音が発生していました。他社製のチェッキ弁下流側の機器の損傷・漏水及び、この衝撃音により付近の茂みから野鳥の群れが飛びたち、航空機離発着のタイミングによってはバードストライクの危険がありました。
    「無水撃チェッキ弁SL-SN型」に更新しました。これらの問題が解消され、お客様からご好評をいただきました。

2.直動式液面制御弁:UFSF-C型

ヨコタの直動式液面制御弁は、定流量と調整弁の機能を併せ持った、取扱い簡便な多用途に向く自動制御弁です。主要部品には用途に応じて耐食・耐摩耗に優れた材料を用い、確実な作動と長い寿命がお約束できます。

特長

直動式流量制御弁:UFS型の原理を応用した直動式フロート弁で、コンパクトなフロートによる液面制御と定流量制御を兼ね備えています。複数あるファームポンドへの定流量分水と止水時の水撃軽減により幹線(配管)を保護し、農業における水資源確保、有効利用に貢献しています。

構造

  1. 水槽の液面が上昇してフロートが上昇してくると主軸が押し下げられ、締切弁体の流路Aが狭まります。この動作に応じて流量が低下すると同時に中間圧力Peが低下します。
  2. それに従って自動弁体はダイヤフラム上面から作用している入口圧力P1により押し下げられ、流路Bを絞って中間圧Peは元の圧力に復元します。そのため締切弁体の前後面の差圧は常に一定値に保持され、入口圧力に関係なく弁の開閉は極めて容易です。
  3. 更に液面が上昇して締切付近になると自動弁体は更に押し下げられ、ついに主軸の段付部に当接して締切弁体と一体化し、締切弁体の下面に作用していた入口圧力P1とダイヤフラム上面に作用していた入口圧力P1はバランスします。
  4. その結果、軸推力はフリーとなり、圧力に関係なく弁の開閉は極めて容易なので、コンパクトなフロートで確実な締切が可能となります。(このためフロートアームの張出しは短くてよく、据付面積の省スペース化ができます。)
  5. 液面が低下すると、フロートの移動に敏感に応動して送水を開始し、更に水面が低下して弁は全開となりますが、弁自体が定流量機構を持っているため入口圧力の変動に対しても、常に安定した流量を保持します。
  6. 締切弁体と自動弁体の相互作用による減圧機構で、吹き出しは減勢され静かです。従って水槽は他の機種に比較して大幅にコンパクトとなり省スペース化と建設コスト低減ができます。

用途(液質)

浄水、農業用水(ダム貯水、河川水)、工業用水

活用事例

実際の納入先の活用事例2選をご紹介します。

  • 農業用調整池にて既設は他社製のフロート弁を使用されていました。液面上昇して止水する際、水撃による「ドン」という衝撃音が発生しており、騒音問題及び主配管へのダメージが懸念されていました。
    「直動式液面制御弁:UFSF-C型」に更新しました。調整池の液面が上昇するとフロートも上昇し、バルブは閉作動となって開度は徐々に小さくなります。定流量機能により、1次圧力に関係なく開度に見合った流量に制御されるため、液面上昇に伴って確実に流量が低下し、止水時には水撃が発生せず騒音もありません。主配管へのダメージと騒音問題が一挙に解決し、お客様からご好評をいただきました。
  • 小規模河川の農業用水路の流量は天候に左右され、少雨時には水量不足となり、農作物への影響が懸念されていました。ダムや河川からの補給水ラインを増設し、用水路への補給方法を検討した結果、用水路直近にバルブ室を設け、ヨコタの直動式液面制御弁を設置しました。
    バルブ室内に設けられたフロート槽に用水路の水を導き、フロートを用水路の液面と連動させる構造にしました。降雨が少なく用水路の液面が低下するとフロートも降下し、主弁が開いて補給水が用水路に供給される仕組みです。

以上、当社のバルブは汎用製品では成し遂げられない厳しい条件をクリアし、多くのお客様にご好評いただいております。
これは、その独自開発した特殊構造によるものです。さらに機能だけではなく、自社開発した特殊ステンレス鋼を自社鋳造工場にて製作し、製品に採用しています。これにより腐食性流体や摩耗性流体など様々な流体に対して、優れた性能を発揮させております。