「挑む」
飲料の鮮度保つ脱気ポンプ
横田製作所(広島市中区)
飲料などの鮮度を保つ特殊なポンプが、全国の大手食品メーカーの注目を集めている。中堅のポンプメーカーの横田製作所が 2002年に開発した「脱気・脱泡ポンプ」。培ってきた独自技術をベースに、液体を運ぶというポンプが持つ機能の常識を大転換。液体に含まれる気体を取り除いて酸化や腐敗を防ぐ新技術で、食品分野に新たなニーズを見いだした。
酸素除去し腐敗防ぐ
「こんな小さな機械でできるのですか…」。担当者の目が、幅約1メートルのポンプ本体にくぎ付けとなった。脱気・脱泡ポンプの購入を検討する食品メーカーでの実演会。ポンプを通した後の飲料に含まれる酸素の量が急減したのを確かめた担当者に驚きの表情が浮かぶ。
食品メーカーがこのポンプに注目するのは、清涼飲料水や乳飲料などに含まれる酸素を取り除くことで酸化や腐敗を防ぎ、鮮度を長持ちさせる働きがあるからだ。開発を指揮した秋山真之取締役営業本部長
(63) は「食品の安全性に対する消費者の関心の高まりが追い風になっている」と受け止める。調理時の煮崩れを防ぎ、瓶詰めの際に泡が立たず正確な計量ができるメリットもある。
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