受賞各社 開発のエピソード・苦労話
資材・機器・システム部門
横田製作所 食品用脱泡・脱気ポンプとして応用
常務取締役兼営業本部長 秋山眞之氏
横田製作所は、独自の自吸原理で開発した空気の混入した水でも吸い上げ可能な自吸ポンプのトップメーカーである。水道水の赤錆対策が話題となった時期、水中の水と空気を分離する自吸ポンプの技術を応用し水道水の溶存酸素を抽出させる「脱気ポンプASP」を完成させた。その後まもなく「食の品質保持と安全」が注目され、食品の脱泡・脱気処理は非常に重要でありながら、大掛かりで非効率的な生産設備しかないことが分かった。当社は、ASPを「食品用脱泡・脱気ポンプ」として応用することを考え、西文夫取締役開発部長を中心とする開発部が、食品分野向けのサニタリー仕様に適合する構造の設計を行った。(1)
液溜まりをなくし洗浄性の高い構造とする (2) 洗浄性を高めるため、部品点数を極限まで減らし簡素化する (3) コンパクト化する。以上3点を重点課題に掲げて設計、試作、テストを連日くり返した。
基本性能である脱泡・脱気性能や加圧性能とサニタリー性能とのバランスを取りながらの開発について、西部長は「しんどかった反面、お客様からこんな小さな機械で何でもできるんですねと喜ばれたのは設計冥利につきる」と語っている。
ASPは、泡問題で悩んでいる市場のニーズに十分応えられる製品になった。今後もさらに市場のニーズに応えられるよう、開発力を強化する。
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