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「タンカー荷役」

ケミカルカーゴポンプとして30年の実績‥‥ヨコタ超自吸ポンプ UPS 型 (PAT.)

タンカー荷役

渦巻ポンプで化学液を揚液できるの?

さまざまな化学液を大量に運搬するケミカルタンカーは、四方を海に囲まれた日本では、重要かつ最も効率の良い運搬手段として発展してきました。
そして、この化学液を荷役するときに使用するケミカルカーゴポンプも、その発展と歩調を合わせるかのように進歩してきました。

ところで、ちょっとみなさんにお尋ねしますが、化学液を荷役するときに使用するケミカルカーゴポンプは、ギヤポンプとかスクリューポンプでないと揚液できないと思っておられませんか?
確かに、普通の渦巻ポンプでは化学液を扱うのは難しいのですが、実は、ヨコタの「超自吸ポンプ」という渦巻式のポンプが 1973年からケミカルカーゴポンプとして使用され続け、ご好評を頂いているのです。

では、なぜ「超自吸ポンプ」が使われるようになったのでしょうか?

超自吸ポンプ搭載のケミカルタンカー
ポンプ室内の超自吸ポンプ
超自吸ポンプ搭載の
ケミカルタンカー
ポンプ室内の超自吸ポンプ
(手前が主ポンプ、奥が抽気ポンプ)


超自吸ポンプが使われるのはなぜ?

まず、ヨコタ超自吸ポンプが実際どのように使用されているかを、2隻のタンカーの例によってご説明します。

タンカー(海運H社所属、492トン)
タンカー(海運D社所属、449トン)

写真左上のタンカー(海運H社所属、492トン)は、1991年に建造されました。酢酸を中心にしたケミカルタンカーですが、超自吸ポンプ UPS 型を2台設置しています。
このポンプは、口径 150mm、1時間当たりの吐出量 200m3、揚程 50m の能力を持ち、これに抽気ポンプ(真空ポンプ)として VP-S 型が連動しています。

下の図は、ポンプの配置図ですが、注目していただきたいのは、ポンプ室がデッキ上にあることです。
ギヤポンプは船底でしか使えませんが、船底にありますとタンクやポンプを洗浄するときに作業が面倒ですし、有毒な液や揮発性液が多いケミカルタンカーの場合は、安全性も考えると、ポンプはデッキ上に設置したほうがはるかに便利です。超自吸ポンプは、デッキ上に設置しても全く支障ありません。勿論、船底に設置して使うこともできますので、ユーザーのみなさんが便利な方を選択できるのです。

ポンプをデッキ上に設置した場合の配置
ポンプをデッキ上に設置した場合の配置 ヨコタ超自吸ポンプUPS型

写真右上のタンカー(海運D社所属、449トン)は、1992年に建造されました。アクリル酸類を中心にしたケミカルタンカーですが、超自吸ポンプ UPS 型を3台設置しています。
このポンプは、口径 100mm、1時間当たりの吐出量 120m3、揚程 50m の能力を持ち、これに抽気ポンプ(真空ポンプ)として VP-S 型が連動しています。

こちらはポンプ室を中段デッキ上に設置しました。
アクリル酸類は毒性の強い液ですし、他の液に変更することもよくある訳ですから、作業の効率と安全性を考えると、デッキ上に設置できるのはありがたいと、船長さんや乗組員のみなさんから喜んで頂いています。


超自吸ポンプを使用するメリットは?

以上の例からもお分かりの通り、ヨコタ超自吸ポンプは、荷役作業を大幅に改善できるケミカルカーゴポンプシステムです。

デッキ上に設置できます。

作業効率が大幅に改善されます。

安全です。

メンテナンスが容易で経済的です。



超自吸ポンプが揚液する仕組み (特許)

超自吸ポンプが揚液する仕組み (特許) ヨコタ超自吸ポンプUPS型

1:

抽気パイプ 

2:

フロートバルブ 

3:

吸込管 

4:

ポンプ吸込口

5:

主羽根車

6:

気水分離羽根

7:

戻り通路

8:

無水撃チェッキ弁


構造図の真中にあるのが主ポンプで、右上にあるのが抽気ポンプです。

(1)

抽気ポンプを起動します。

(2)

真空度が上がるにつれて、カーゴ液は次の経路で吸上げられます。
吸込管 3 → ポンプ吸込口 4 → 主羽根車 5 → 気水分離羽根 6 → 抽気パイプ 1 → フロートバルブ 2

(3)

フロートバルブ 2 に液が入ると、フロートの浮力によってその上部に設けてある空気バルブを開きます。

(4)

空気バルブから空気が入ると、液は主ポンプ内に戻り、抽気ポンプへの流入を防ぎます。

(5)

次に主ポンプを起動します。

(6)

この時、吸込管内や主ポンプ内には多少の空気が残っていますが、気水分離羽根 6 の遠心分離作用によって液は戻り通路 7 を通ってポンプ吸込口 4 に戻り、抽気ポンプ側には空気のみ流れます。

(7)

主ポンプ内の空気が完全に抜けて運転が安定すると、抽気ポンプは停止しますが、さらえ運転(ストリッピング)に入ると抽気ポンプを起動します。

(8)

さらえ運転では、多少の空気は吸込んで液と混合しますが、空気は主として主羽根車 5 の中心部に集まります。

(9)

集まった空気は、主羽根車 5 と気水分離羽根 6 に設けた孔を通って抽気ポンプによって排気されますので、連続抽気によるさらえ運転が可能で、ほとんどタンクの底が見えるまで吸上げることができます。


稼働中の超自吸ポンプ ヨコタ超自吸ポンプUPS型

稼働中の超自吸ポンプ
(奥が主ポンプ、手前が抽気ポンプ)


超自吸ポンプの上手な利用法

ヨコタ超自吸ポンプと一般的なギヤポンプを比較すると、次のようになります。

 

ヨコタ超自吸ポンプ

ギヤポンプ

設置場所

デッキ上でも船底でもどちらでも設置可。
有毒液を扱う場合、デッキ上に設置できることは安全面で効果大。

船底に設置。

安全性

渦巻ポンプは羽根車外径と回転数で圧力が決まるので安定しており、安全性が高い。

圧力はいくらでも上がるため大事故になる恐れがあるので、必ず安全弁が必要。

吐出量調整

バルブ操作で自由に調整できる。

吐出量は一定で調整することはできない。

コスト

ポンプ本体価格は高いが、渦巻ポンプは故障が少ないので保守費は安い。

本体価格は安い。ギヤとギヤが接触して液を送る構造のためギヤは消耗品扱いだが、高価な部品なのでかなり費用がかかる。

扱える液

比重 1.4 以下の液。粘度が高い液はキャビテーションの検討が必要 。

あらゆる液に対応可能。


もちろん超自吸ポンプが万能というわけではありませんから、次のようなメリットとデメリットをよくご検討いただいて、上手に利用してくださるようお願いします。

(1)

ポンプを設置する場所がデッキの上でも可能というのが、超自吸ポンプの大きな強みです。
液を変更する場合、タンクやポンプ類をクリーニングしますが、有毒な液を扱っている時にポンプがデッキ上にあると安全ですし、作業も楽にできます。

(2)

超自吸ポンプは渦巻ポンプですから、羽根車外径と回転数で圧力は決まり、安定していますのでとても安全です。ところが、ギヤポンプは圧力はいくらでも上がりますので、安全弁がうまく作動しないと配管を破損する恐れがあります。

(3)

超自吸ポンプは吐出量をバルブで調整でき、荷役作業のときに大変便利ですが、ギヤポンプは調整することはできません。

(4)

価格面では、渦巻ポンプはギヤポンプと比べるとやや高めですが、保守の面では、渦巻ポンプは故障が少なく、しかも定期点検時にはパッキンや玉軸受といった安価な部品を交換するだけですから、トータルで考えると安く使えるポンプです。
ギヤポンプは、ギヤが高価な上に傷みやすく、又、メカニカルシールを交換するとなると、4個同時に交換しなければなりませんので、保守でかなり費用がかかります。

(5)

扱える液という点では、超自吸ポンプは抽気式ですから揮発性の高い液でも大丈夫ですが、比重は 1.4 以下の液という条件がつきます。
ギヤポンプは、重い液や粘度の高い液でも扱えます。
従って、年に数える程しかない重い液を荷役するためにギヤポンプを設置するのか、軽い液だけに特定して渦巻ポンプを設置するのか、という判断が重要になります。



この製品のより詳しい説明については、超自吸ポンプ UPM、UPS 型をご覧ください。

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